このページでは、原発不明がんの治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。
トモセラピーの治療対象は、固形悪性腫瘍全般となるため、原発不明がんも治療対象となります。多発転移が認められた場合、通常標準治療では抗がん剤のみが適応となりますが、有限個(画像で数えられる数)の病変であれば、原発不明がんであってもトモセラピー治療の可能性があります。
副作用が少ないため、生活の質を保ったまま治療を行うことができます。外来での通院治療も可能で、仕事を行いながらでも治療ができます。
抗がん剤などのように副作用が大きくないため、体への負担が軽くなります。
トモセラピーの高度な照射技術により、隣接している正常な組織を避けて病巣にミリ単位のピンポイント照射ができます。
高精度治療が行えるため、原発巣が特定できない転移がんであっても、発見される臓器やがんの形を問わず積極的な治療ができることがあります。
トモセラピーは病巣に高い精度で高線量を照射できるため、複数の病巣や広い範囲であっても治療が可能です。
ダイレクト照射により、胸部の疾患にも安全な照射ができるようになりました。またいびつな形状の病巣であっても、集中的な照射ができます。
放射線治療と比較すると副作用が少ないといわれるトモセラピーではありますが、局所的な副作用が起こることがあります。
照射部位に炎症が起き、皮膚炎を起こしたり、皮膚の表面の毛が放射線の影響で脱毛してしまったりするおそれもあります。
治療が終われば改善されると思われますが、体質や程度により完治まで時間がかかる場合もあります。
トモセラピーは放射線を照射しますから、免疫機能が低下することがあります。そのため治療中は感染症のリスクが高まります。
とくに広範囲に照射する場合には、定期的な血液検査を行うことが大切です。
原発不明がんは日本の保険診察上、存在しない病名です。そのため多くの治療が適応外処方となる可能性があります。
ただしがん対策基本法の改正により「希少がん」という文言が入ったため、将来的には解決されることが期待されます。
原発不明がんは、原発巣が特定できないためにがんが発見される臓器や性質、形などが患者ごとにさまざまです。症状や経過もそれぞれに異なるため治療戦略は個人差が大きく、治療方針については医師とよく話し合う必要があるでしょう。
がんの方の生活の質を高めるための「緩和ケア」について紹介しているサイトです。主治医に「治療がない」と言われた方でも受けられる可能性がある治療についてもまとめています。