基底細胞がんとは、皮膚がんの一種です。転移はしにくいですが、再発が多いことで知られています。黒褐色のほくろのような見た目で、潰瘍を伴ったりシミのように見えるものなどがあります。基底細胞がんは、日本人を含め世界で最も一般的な皮膚がんです。表皮の最下層である基底層や毛包などを構成する細胞ががん化したもので、転移は稀ですが治療をしないと筋肉、骨など、深い組織へと広がっていき、組織を破壊します。
基底細胞がんの主な発生原因は、紫外線によるものと考えられています。がんが発生する場所も直接紫外線を浴びやすい顔や頭が70%程度を占めています。そのほか、腕や足、体幹などに発生することもあります。また、やけどや傷の痕、放射線を浴びてしまった皮膚炎の痕にがんが発生することがあります。このがんは高齢者が罹患することが多く、加齢とともに発生頻度が高くなることも特徴です。
基底細胞がんは、最も一般的な皮膚がんの一つですが、性質が異なる3つのタイプに分類されます。それぞれの特徴や再発率について紹介します。
日本人の約80%を占める最も一般的なタイプです。初期は小さな黒いほくろのように見えますが、進行すると、盛り上がり、中心部が潰瘍になり出血することがあります。
シミのように平面に広がるタイプです。色は淡い紅色で、正常な皮膚との境界がはっきりしているのが特徴です。比較的欧米人に多く、体幹や腕、足にできることが多いがんです。がん自体の厚みは薄いため、レーザーや液体窒素での治療も可能です。
表面が光沢のある淡い紅色~肌色で硬く盛り上がっている様相を呈します。皮膚深部へ広がる性質があり、正常細胞との境界が不明瞭であるために取り残しがないよう、周囲を大きく切除する必要があります。前述した2タイプと比較して再発率が高いことも特徴です。
基底細胞がんは表皮で発生し、転移リスクは低いことが特徴です。そのため、表皮内にとどまっている段階であれば、手術による切除だけで治療可能となります。しかし、再発リスクがあるために、切除範囲の検証が必要です。
大きさや部位、進行度によって、再発リスクが分類されており、リスクの高低も考慮して治療方針が決定されます。低リスクであれば4mm、高リスクであれば5~10mmがんから離して切除することが推奨されています。手術以外の選択肢としては、放射線治療や化学療法など、トモセラピーも対応しています。
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