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トモセラピーによる胚細胞腫のがんの治療

このページでは、胚細胞腫のがん治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。

トモセラピーで胚細胞腫のがんを治療するメリット

ピンポイントで放射線を照射できる

胚細胞腫とは、胎児の時期に精子や卵子になる前の未成熟な「原始生殖細胞」と呼ばれる細胞から発生した腫瘍です。腫瘍がどこから発生したかにより、治療すべき部位も変わります。

多くは10〜30歳代に発生し、小児の時期に発生することもあります。小児期に発生した場合、男性は精巣が9割以上となっています。非常にまれな腫瘍ですが、遠隔転移があっても根治が期待できる腫瘍のひとつといわれています。

トモセラピーはピンポイントで放射線を照射できるため、どの部位に発生しても取り入れやすく、手術や化学療法後に予定することもあります。

保険診療も可能

トモセラピーは多くのがんに効果が期待できます。以前は一定のがんのみにしか保険適応されていませんでしたが、平成22年4月の診療報酬改定により、ほとんどのがんに保険適用されるようになりました。

胚細胞腫の根治治療の方法として、手術前や手術後に臨床応用されることが期待されます。

治療の痛みがなく副作用も軽い

トモセラピーは照射する際に痛みが伴わないのが大きなメリットです。1回の治療は5〜10分程度で、トータルでも20〜30分で終了します。痛みもなく短時間で終わるため、患者の負担も軽減されます。

また従来の放射線治療より副作用もかなり軽減されるため、低年齢の患者であっても受け入れやすいでしょう。

トモセラピーで胚細胞腫のがんを治療するデメリット

治療できる医療機関が少ない

トモセラピーは高精度放射線治療です。これを行うにはIMRTという強度変調放射線治療の専用機が必要です。そのため、トモセラピーを受けられる医療機関が限られてしまいます。

手術や化学療法などの治療を受けた病院では、トモセラピーを受けられないこともあります。

副作用が出る場合もある

従来の放射線より副作用リスクが少ないトモセラピーですが、まったく副作用が出ないわけではありません。副作用には吐き気や倦怠感、脱毛、皮膚炎などの症状が報告されています。

安全性に優れているとはいえ、副作用がゼロではないことは理解しておきましょう。

胚細胞腫のがんの治療方針を決めるときの注意点

トモセラピーは全身へ転移した複数のがんも、一括して放射線治療を進めることが可能です。遠隔転移が起こることもある胚細胞腫の治療においては、トモセラピーは非常に有効と考えられますが、進行度や組織型によっては摘除術や化学療法などを行うことがあります。

術前術後や化学療法の後にトモセラピーを用いるなど、追加治療として使われることもあるため、まずは主治医と治療法について話し合ってみましょう。

トモセラピーを考えている場合には、導入している医療機関に相談してみてください。

       
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