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トモセラピーと子宮肉腫治療について

子宮肉腫とは?

肉腫とは筋肉、脂肪、骨などの組織から発生する悪性腫瘍を指し、子宮肉腫は子宮の筋肉から発生するまれながんです。一般的な子宮体癌や子宮頸癌と異なる特徴があり、治療への反応も違います。子宮肉腫が婦人科領域の子宮体部悪性腫瘍に占める割合は4-9%となっています。病理所見により、平滑筋肉腫、子宮内膜間質肉腫、腺肉腫、癌肉腫などに分類されます。子宮肉腫は一般的な子宮体がんとは異なる治療アプローチをしますが、子宮癌肉腫は肉腫とがん腫が混じった悪性腫瘍で、子宮体がんに似た性質をもっているため、それに応じた治療が行われることもあります。

子宮肉腫の発症率

子宮肉腫には、毎年約800人に罹患すると推測されています。子宮体部悪性腫瘍の約4-9%を占め、その内訳は多い順にがん肉腫(46%、約360人)、平滑筋肉腫(36%、280人)、内膜間質肉腫(13%、約100人)となっています。

子宮肉腫の症状

子宮肉腫に特有の症状はなく、腹痛、腫瘤感、頻尿などは子宮筋腫と共通です。不正性器出血も必ずしも伴いません。手術前診断で子宮筋腫と誤診されることもあり、手術時に子宮肉腫と判明する事例も報告されています。子宮肉腫が発症しやすい年齢は平滑筋肉腫が約50歳で、子宮内膜間質肉腫の場合には若年層に見られます。子宮筋腫と診断され経過観察中で、閉経前後に増大がみられる場合は子宮肉腫の可能性に注意が必要です。

子宮肉腫の原因

子宮肉腫の原因はわかっていません。ただ、遺伝子異常が報告されている例もありますので、遺伝子変異が関与している可能性もあると考えられています。

子宮肉腫の治療

子宮肉腫の治療は、種類や病期により選択します。主要な治療は手術で、「子宮全摘出術」と「両側付属器切除術」が原則です。低異型度の子宮内膜間質肉腫ではホルモン療法が有効な場合もあり、特に若年者に選択されることがあります。一方、平滑筋肉腫は一般的に抗がん剤治療に対する反応が限られており、婦人科がんでよく使用される、抗がん剤のシスプラチンがあまり有効ではないことが特徴です。別の抗がん剤であるドキソルビシンの投与が試みられることもありますが、早期の手術による完全切除が有効な治療法とされています。また、症状によりトモセラピーなどの放射線療法も選択される場合があります。

       
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