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トモセラピーのGIST(消化管間質腫瘍)治療について

GIST(消化管間質腫瘍)とは?

GISTとは、Gastrointestinal Stromal Tumorの略称です。日本語では消化管間質腫瘍(しょうかかんかんしつしゅよう)と言います。胃や腸などの消化管に発生する悪性の腫瘍です。ただ、一般的な「胃がん」や「大腸がん」とは異なります。一般的な消化器がんは粘膜から発生すしますが、GISTの場合には粘膜の下層にある筋肉などの層から発生します。その層にある特殊な細胞が異常に増殖をして、腫瘍を形成していくことから粘膜下腫瘍とも言われます。

GISTの発症率

GISTの発症率は、年間に10万人に対して1人から2人くらいとされ、稀な腫瘍である「希少がん」に分類されます。希少がんとは、『人口10万人あたり6例未満の「まれ」な「がん」、数が少ないがゆえに診療・受療上の課題が他に比べて大きいがん種』の総称で、現在200種類近くの悪性腫瘍が該当します。GISTは希少がんですが、消化管の粘膜下腫瘍の中では最も多くみられます。GISTの発症に男女差はなく、胃に最も多く見られ、ついで小腸、その他の消化管になります。発症する年齢層もひろく見られますが、中高年に好発で60歳代がピーク。また、GISTは全体の10%から20%程度に肝臓への転移があります。さらに症状が進んでしまうと、お腹の中に種を撒くようにがんが広がってしまう「腹膜播種(ふうまくはしゅ)」を起こすこともあります。

GISTの症状

吐き気や腹痛、下血・吐血やそれに伴う貧血などが起こることがあります。しかし、どれもGIST特有の症状ではなく、軽度な場合も多いです。腫瘍が大きくなると、消化器内部に潰瘍が形成されて下血・吐血の症状がひどくなってきます。

GISTの原因

GISTが発生するのは、KITやPDGFRAと呼ばれるたんぱく質の異常が原因と考えられています。通常、たんぱく質は特定の刺激がある場合に細胞の増殖を促進しますが、異常があると刺激なしでも細胞が増殖し続けてしまいます。このため、腫瘍は増大し続ける可能性があるのです。GISTは一般的な消化器がんと比べて周囲の組織への浸潤が少なく、上記のように症状が明らかでないことも多くあります。そのため、診断が遅れ、進行した状態で発見されるケースが多いと言われています。

GISTの治療

GISTまたは疑わしい腫瘍には通常手術が行われます。小さな腫瘍や無症状の場合は経過観察も考慮されますが、GIST診断時には手術が勧められます。転移がある場合は内科的治療(化学療法)も検討され、効果があれば外科的切除が再考されることもあります。また、GIST自体に放射線感受性は高くないため、放射線治療の抗腫瘍効果の有用性は認められていません。ただ、疼痛処置や転移がんなどにトモセラピーを含む放射線治療が使用されることがあります。

       
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