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トモセラピーによる神経内分泌癌(カルチノイド)のがんの治療

このページでは、神経内分泌癌(カルチノイド)のがん治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。

トモセラピーで神経内分泌癌(カルチノイド)のがんを治療するメリット

多発転移など複数の病巣に照射できる

神経内分泌癌は、増殖速度が速いのが特徴で、早期に転移や再発を起こしやすいとされています。すい臓や消化管、肺など全身のさまざまな部位から発生し、複数箇所に転移する可能性があります。

悪性度は高いですが、非常に珍しいがんといえます。

トモセラピーの治療対象となるのは固形悪性腫瘍全般ですが、特に複数の臓器に多発転移がある場合には有効に対応できる治療法です。病巣が小さい、複雑な形状などさまざまなケースに対応しやすく、一度に複数箇所の治療ができるため、治療回数も軽減できます。

集中的な照射で副作用が少ない

放射線照射の正確性を上げるため、病巣の位置を特定するCT撮影をした同じ寝台で続けて治療を受けることができます。照射位置や範囲、時間をきめ細かく調整しながら、病巣だけにピンポイントで照射できるので、ほかの部分に負担をかけることなく副作用も少なくなります。

通院での治療が可能

トモセラピーは1回の照射時間は通常5〜20分程度です。痛みや副作用もほとんどないため、患者の状態によっては通院での治療も可能となります。

複数箇所の照射があっても、1度に数カ所の治療ができますので、通院回数も少なくてすみます。

トモセラピーで神経内分泌癌(カルチノイド)のがんを治療するデメリット

転移癌には保険対象外となることがある

トモセラピーの医療費は、治療する箇所や回数などによって異なります。トモセラピーは平成22年に保険適用の対象となりましたが、治療回数や転移した癌に対しては保険対象外となる場合もあります。

神経内分泌癌(カルチノイド)は進行が速く転移しやすいため、複数箇所を1度に治療できるトモセラピーは非常に有効な治療ですが、保険が適用されないことがあるので注意しましょう。

治療前に治療費の相場や医療機関の情報を確認してください。また医療費控除や高額療養費制度などを利用して、自己負担額を減らすこともできます。

複数箇所への照射は副作用のリスクがある

トモセラピーはピンポイントで病巣に照射できますので、従来の放射線治療に比べると副作用のリスクは軽減されます。ただし副作用がまったくないことはなく、特に神経内分泌癌(カルチノイド)で複数箇所への照射をすることで副作用のリスクは高くなります。

主な副作用は疲労感や倦怠感、吐き気、下痢、食欲不振、皮膚の赤みなどです。照射する部位によっても副作用が異なります。

神経内分泌癌(カルチノイド)の治療方針を決めるときの注意点

神経内分泌癌(カルチノイド)は進行が速いことが特徴で、転移や再発のリスクも高い傾向にあります。多発転移となった場合にはトモセラピーは治療法として有効性の高いものとして候補にあがりますが、保険適用の対象となるかどうかは必ず確認しましょう。

またトモセラピーが受けられる医療機関は限られているため、クリニックの実績なども調べておくことが大切です。

       
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