このページでは、粘液繊維肉腫治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。
粘液線維肉腫は、高齢者に発生しやすい悪性の軟部腫瘍です。軟部肉腫の中でも比較的発生頻度が高い疾患です。男女差は大きくないものの、やや男性に多くみられる傾向があります。局所再発率が高く、再発を繰り返すケースが多いので、適切な切除と術後の慎重な経過観察が重要です。悪性度は一定ではなく、低悪性度から高悪性度までさまざまなケースが確認されています。
発症部位は、四肢、特に下肢の皮下組織や筋膜、筋肉内に浸潤するように発生しやすいです。初期段階では痛みのないしこりとして出現するケースが多く、自覚症状はほとんどみられません。腫瘍が少しずつ大きくなるにつれて、圧迫症状や疼痛を伴うほか、皮下に発生した場合には、発赤や、潰瘍を形成することもあります。
粘液線維肉腫の診断では、まず身体所見の確認を行い、MRIやCTなどの画像検査によって腫瘍の大きさや周囲組織への広がりを観察します。確定診断は、生検による病理組織検査が必要です。
粘液繊維肉腫の治療は、以下の通りです。
トモセラピーは、アメリカで開発された高精度な放射線治療装置です。放射線治療装置とCTが一体となった、強度変調放射線治療(IMRT)なので、がん病巣へ高線量を集中的に照射し、周囲の正常な組織への影響を低減できます。
適応疾患は幅広く、骨肉腫、脂肪肉腫、ユーイング肉腫、繊維肉腫、平滑筋肉腫などに加え、粘液線維肉腫にも対応しています。
トモセラピーでは、照射前に毎回CTで画像を撮影し、腫瘍の位置や形状を正確に把握します。その情報をもとに、放射線の方向や強さ、照射範囲を細かく調整して、腫瘍の形状に合わせた照射を行います。この照射方法により、がん細胞に放射線を集中させつつ、周囲の臓器や正常な組織への負担を抑えることが可能です。
トモセラピーによる放射線治療は、出血や痛みを伴わない非侵襲的な治療です。病状や全身状態によっては、入院せずに通院で治療を受けることも可能できるので、通勤や家事など、日常生活を続けながら治療が行える点も大きなメリットといえます。
トモセラピーは副作用の少ない放射線治療とされていますが、全く副作用が生じないわけではありません。特に、照射した皮膚に赤みや腫れが現れるケースがあります。これらの症状は照射後数日から数週間で見られ、軽度の場合が多いものの、肌が敏感な人や広範囲に照射した場合には強く出ることもあります。症状の強さや現れ方には個人差があるため、不明なことは主治医に確認しておくことが大切です。
粘液線維肉腫は、主に下肢の皮下組織や筋膜、筋肉内に発生しやすい腫瘍です。下肢に放射線治療を行う場合、照射部位に浮腫(むくみ)や可動域の制限、関節の動かしにくさ、まれに、骨の脆弱性が高まって骨折のリスクが上がる場合があります。
手術後の比較的早い段階でトモセラピーを実施した場合、創部の治癒が遅れることがあります。また、照射部位や範囲によっては、食欲低下、吐き気、嘔吐などの全身症状が出ることもあります。これらの副作用は一時的なものが多いとされますが、全身状態や治療部位によって異なるため、気になることがあれば、医師や看護師へ相談しましょう。
トモセラピーはがん病巣の形状や位置に合わせて精度の高い放射線治療を行える装置です。がん組織に放射線を集中照射しながら、周囲の正常組織への影響を抑えられるため、粘液線維肉腫の治療にも選択肢のひとつとして用いられています。トモセラピーによる治療には、ご紹介した以外にもさまざまなメリットがありますが、すべての方に適しているわけではありません。
基本的に粘液繊維肉腫の治療の基本は手術での完全切除とされており、腫瘍の位置や大きさ、悪性度などを踏まえて、放射線治療や化学療法を併用するかどうかが検討されます。治療法を選ぶ際は、腫瘍の性質や全身状態、治療後の生活への影響などを総合的に判断することが大切です。
トモセラピーによる治療を検討している方は、導入している医療機関を受診し、医師に相談するようにしましょう。不明なところは医師にしっかり確認を行い、複数の選択肢から納得のいくものを選んでください。
がんの方の生活の質を高めるための「緩和ケア」について紹介しているサイトです。主治医に「治療がない」と言われた方でも受けられる可能性がある治療についてもまとめています。