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トモセラピーによる多発性骨髄腫の治療

このページでは、多発性骨髄腫のがん治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。

トモセラピーで多発性骨髄腫を治療するメリット

さまざまな形状を持つがん病巣に合わせて照射時間を調整

アメリカで開発されたがんの放射線治療機器であるトモセラピーは、正常組織へのダメージを軽減した治療が可能となるシステムのことです。強度変調放射線治療(IMRT)と画像誘導放射線治療(IGRT)が可能とされています。

強度変調放射線治療(IMRT)は、さまざまな形状を持つがん細胞に合わせて、放射線の方向や位置、照射時間を適切に調整可能です。画像誘導放射線治療(IGRT)は、CTスキャンによって得られた画像データにより、照射位置を瞬時に読み取って照射できるのが特徴です。

強弱をつけた照射が可能

トモセラピーは、事前にCTスキャンをとることによって、自動的にがん病巣へ的確な照射を調整します。強く照射したいところには強く、弱くしたい部位には弱く、といった具合に調整を行えるため、周囲の正常な組織へダメージを軽減できます。

トモセラピーの治療対象となる疾患は固形悪性腫瘍全般であり、多発性骨髄腫や悪性リンパ腫などの疾患も適応となっています。

参照元:クリニックC4「」(https://cccc-sc.jp/treatment/ourtherapy.html)

患者の負担になりにくい治療

トモセラピーによる治療は、出血や痛みなどを伴わないため、患者の負担を軽減できる治療です。基本照射時間が短いため、治療に伴う精神的なストレスの緩和につながるのもメリットの1つです。病状によっては通院で治療を受けられるため、生活の質を保ちやすいといえます。

※身体の状態によっては入院が必要な場合があるため、事前に主治医に確認しておきましょう。

トモセラピーで多発性骨髄腫を治療するデメリット

副作用や日常生活に注意が必要

トモセラピーは、副作用を抑えやすい治療ですが、症状が全く見られないわけではありません。全身的な副作用としては、倦怠感や食欲不振、貧血、易感染などが挙げられるため注意が必要です。照射された部位の皮膚の変化なども見られる可能性があります。

多発性骨髄腫は、骨に病変が生じると、骨の強度が低下し、重たいものを持ったり、身体をぶつけたりすると、通常では起きない力でも骨折してしまうことがあります。日常の動作でも、病変のある部位に強い力が加わらないよう注意しましょう。

副作用や症状の現れ方には個人差が見られるため、症状や治療のことで心配なことがある方は、主治医に確認してみましょう。

食欲不振や脱毛などの症状が見られる可能性

腹部などに放射線を照射すると、食欲不振などの症状が見られることがあります。放射線によって障害を受けた正常細胞を修復するために、普段以上にカロリーや栄養摂取を意識していく必要があります。少量ずつ数回に分けて摂取したり、高カロリーの食品を取り入れたりしましょう。どうしても食事がとれないときは、無理をせずに、医師や看護師に相談するようにしてください。

多発性骨髄腫の治療方針を決めるときの注意点

多発性骨髄腫の治療に用いられることがあるトモセラピーは、さまざまなメリットが得られる治療です。しかし、デメリットもあることから、多発性骨髄腫すべての症例に適用できるわけではありません。

多発性骨髄腫にかかっていてトモセラピーによる治療を受けたいと思っている方は、主治医に相談して、対応している医療機関へ受診するようにしましょう。そして、今後の治療について主治医としっかり相談するようにしてください。

       
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