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トモセラピーによる膵臓のがんの治療

膵臓がんの治療では、トモセラピーを使用している医療機関があります。がんだけを狙い周囲の組織へのダメージを軽減できるトモセラピーは、がんの活動性を落とす術前照射や、術後の再発病変に対しておこなうこともあります。また、手術が難しい場合にも化学療法と組み合わせて使用されています。

膵臓がんについて

膵臓がんは、ほとんどが膵管で発生します。多くが腺がんという組織型のがんで、初期段階では身体に症状が出にくく、早期発見が難しいがんとして知られています。統計的には肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんについで死因の第5位となっています。国内での膵臓がんは近年増加傾向にあり、毎年3万人以上の方が膵がんで亡くなっています。膵臓がんは小さいうちから膵臓の周りのリンパ節や肝臓に転移しやすく、おなかの中にがん細胞が散らばって広がる腹膜播種(ふくまくはしゅ)が発生することもあります。

膵臓がんの診断方法

前述の通り、膵臓がんは症状が出にくいがんです。そして、膵臓自体が胃の裏側に位置していて身体の奥の方にあるために検査がしにくい特徴があります。主な検査方法では、血液検査、超音波検査の結果などから膵臓がんが疑われる場合には、造影CT検査、腹部MRI検査、超音波内視鏡検査(EUS)が実施されます。これらの検査でも確定診断が得られない場合には、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)をおこないます。この検査は口から内視鏡を入れて、十二指腸まで達したところで細いチューブで造影剤を注入。胆管や膵臓などの詳しい状況を観察するものです。

膵臓がんの症状

膵臓がんは初期の症状に乏しい病気です進行をすると、腹痛、食欲不振、腹部膨満感(おなかが張る感じ)、黄疸おうだん、腰や背中の痛みなどが起こります。そのほか、膵臓では血液中の糖を調節するインシュリンという物質が出る場所ですので、急に糖尿病を発症したり、持病として持っている場合は悪化することもあります。

膵臓がんの治療

膵臓がんの治療には、手術、薬物療法、放射線治療、緩和ケアがあります。がんの進行度合いや患者さんの年齢、希望など、総合的に考えてどの治療を選択するかを決めていきます。トモセラピーでは、手術の際に術前照射や手術後の再発事例に対する照射など、さかざまな場面で治療に利用されています。また、遠隔転移がある場合や切除不能な場合にも、がんによる痛みを和らげる目的でトモセラピーが使われる場合もあります。特に骨転移を伴う場合には放射線治療が勧められています。

       
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