トモセラピーは、ベッドを前後に動かしつつ360度方向からがんに対して放射線を照射する放射線治療装置です。この記事では、トモセラピーで胃がんを治療するメリット・デメリットを紹介します。
トモセラピーの最も大きなメリットは、胃がんに放射線を集められることです。基準の画像と治療直前に撮影した画像を比較しつつ位置を自動調整するためピンポイントで照射できます。照射角度や照射範囲・照射時間などを細かく調整できる点も特徴です。
胃がんに放射線をピンポイント照射できるため、正常な細胞の被ばくを抑えて副作用を少なくできる可能性があります。従来の放射線治療や薬物療法では副作用が問題になることが少なくありません。放射線治療・薬物療法による治療が受けられない方でも治療が受けやすい点が特徴といえるでしょう。
胃がん治療の選択肢のひとつとして手術療法があげられます。手術療法のデメリットは、お腹を切開したりお腹に孔を開けたりしなければならないことです。ケースにより程度は異なるものの、痛みや出血を伴います。トモセラピーは切開などを必要としないため、外科手術が受けられない方でも受けやすい治療法です。
トモセラピーの治療に要する時間は1回あたり10~30分程度です。比較的体への負担が少ない治療法のため、症状によっては通院で胃がんの治療を受けられるケースもあります。場合によっては普段の仕事を続けながら治療を受けることも可能です。働きながら治療を続けたい方であれば選びやすい治療法といえるでしょう。
副作用を抑えられる可能性があるとはいえ、副作用をゼロにすることはできません。トモセラピーを受けてから1カ月程度までに、食欲不振、下痢、嘔吐、頭痛、腹痛などに悩まされることがあります。
原因は、胃に放射線を照射した影響と精神的な負担や肉体的な疲れなどです。副作用の有無、現れる症状はケースにより異なります。
放射線を照射した部位の皮膚に異変を感じることもあります。具体的には、ヒリヒリ感や熱感、発赤、表皮の剥離などが現れやすいといえるでしょう。
主な原因は、放射線を照射した部位の皮膚が炎症を起こすことです。肌への炎症に対する対象法は、基本的に軟膏の塗布などです。照射後は、皮膚を刺激しないように注意が必要です。
トモセラピーはメリットの多い治療法ですが、すべての胃がんに適しているわけではありません。胃がんの状態や本人の年齢・体力などによっては、手術療法や薬物療法を優先するほうが良いケースもあります。
治療法の選択は、必要な情報を集めて医師と相談しつつ行うことが重要です。トモセラピーが気になる方は、トモセラピーを導入している医療機関で医師と相談しつつ、よりよい治療法を選択しましょう。
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