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トモセラピーとサイバーナイフの違い

がん治療を検討する際、「トモセラピー」や「サイバーナイフ」といった高精度な放射線治療法を目にすることがあります。両者にはどのような違いがあるのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、両者の違いについてまとめ、それぞれのメリットをご紹介します。

トモセラピーとは

トモセラピーは、米国で開発された高精度放射線治療装置です。CT装置と放射線治療装置(リニアック)が一体化したようなシステムで、画像診断用CTと似たドーナツ型の外観をしています。

患者さんが乗った治療台を少しずつ動かしながら、機器が360度回転して細い放射線ビームを照射します。これにより、周囲の正常組織への影響を抑えつつ、がん病巣へ集中的に放射線を照射できるのが特徴です。

サイバーナイフとは

サイバーナイフは、産業用のロボットアームの先端に小型の放射線治療装置(リニアック)を搭載した装置です。多関節のロボットアームが自由に動くことで、非常に多くの方向からピンポイントで放射線を照射できます。

また、呼吸などで動くがん病巣(肺や肝臓など)をリアルタイムで追尾しながら照射する機能を持っており、正常な組織への影響を低減しながら高精度な治療が可能です。

トモセラピーとサイバーナイフの違い

両者は、体外からがん病巣に対して高精度の放射線ビームを照射して治療を行うという基本原理に違いはありません。しかし、得意とする治療範囲に違いがあります。

サイバーナイフは、極細のビームを多方向から集中させるため、比較的小さなターゲット(局所のがん)をピンポイントで狙い撃ちにすることを得意としています。一方、トモセラピーは、広範囲にわたる大きな病巣や、複雑な形状のがん病巣、あるいは複数箇所に点在するがんに対しても、一度に集中照射を行うことができます。

例えば、乳がんの術後などで広い範囲(乳房全体やリンパ節など)に予防的な放射線治療が必要なケースでは、ターゲットが広すぎるためサイバーナイフよりもトモセラピー(または通常のリニアック)が選択されることが一般的です。

※実際の治療においてどの装置を使用するかは、患者さんの病状や検査データに基づき、主治医が判断します。

トモセラピーとサイバーナイフのメリット

トモセラピーは広範囲や複雑な形状の病巣に適しており、サイバーナイフは比較的小さな病変のピンポイント治療に強みがあります。ここでは、それぞれのメリットをより詳しく解説します。

トモセラピー

トモセラピーは、治療の直前に毎回装置内蔵のCTで撮影を行い、事前の治療計画画像と位置合わせを行う機能(IGRT:画像誘導放射線治療)を備えています。日々の臓器の位置の変化やわずかな誤差を補正してから照射を行うため、正常な臓器へのダメージをなるべく抑え、副作用のリスクを低減することが期待できます。

また、患者さんが乗った治療台が装置の中へゆっくり移動しながら、らせん状かつ連続的に照射を行います。そのため、広範囲に広がるがん病巣や、複数箇所に転移したがんに対しても、一度の治療枠の中で効率的に照射を行えるケースがあります。

サイバーナイフ

サイバーナイフのメリットは、ロボットアームの高い自由度による「ピンポイント照射」と、呼吸による臓器の動きに合わせた「追尾照射」です。

従来の放射線治療では、呼吸で動く臓器(肺など)に照射する場合、その動きの範囲を含めて広めに放射線を当てる必要がありました。しかし、サイバーナイフはがんの動きを予測・追尾して照射できるため、照射範囲を絞り込むことが可能となり、周囲の正常組織への負担を大きく軽減できます。これにより、短期間で高い線量を集中させる定位放射線治療(SRT)に適しています。

まとめ

トモセラピーとサイバーナイフは、どちらも体外からがん病巣へ高精度に放射線を照射する治療装置です。トモセラピーは「広範囲・多発病変への柔軟な対応」、サイバーナイフは「動きのある臓器や小病変へのピンポイント追尾照射」という異なる強みを持っています。

ご自身の症状に対してどちらの治療法が適しているかは、がんの種類、大きさ、位置、全身状態によって異なるため、必ず主治医や放射線治療専門医にご相談ください。

当サイトでは、トモセラピーに関する基礎知識についても詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

トモセラピーの基礎知識

【注意事項】
本記事で紹介している治療法の適応や効果は、患者さん個人の状態によって異なります。記事の内容は医療的なアドバイスに代わるものではありません。実際の治療方針については、自己判断せず必ず医療機関を受診し、担当医師にご相談ください。

       
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