このページでは、虫垂がん治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。
トモセラピーは、アメリカで開発されたがんの放射線治療機器です。放射線治療装置とCTを1つにさせた高精度放射線治療装置であり、強度変調放射線治療(IMRT)専用とも呼ばれているのが特徴です。
トモセラピーは、肺がんや食道がん、胃がん、前立腺がんといったがんのほかに、虫垂がんや肛門がんなど幅広い疾患の治療を行えます。
従来の放射線治療装置では、照射野を分割して治療をするため、つなぎ目の部位が過線量になってしまわないように照射を加減しなくてはなりませんでした。トモセラピーを使用すると、連続的に照射できるため、長い照射部位であっても均一に治療を行えるメリットが期待できます。
トモセラピーの場合、がん病巣部の切開を行わないため、出血を伴いません。治療時に痛まないため、患者の精神的な負担が軽減します。また、毎回の照射直前にCTの撮影を行って、照射の位置を合わせるため、精度の高い治療を行えます。がん病巣を狙いうちできますので、副作用のより少ない治療を行うことができます
トモセラピーは副作用が起きにくい治療法ですが、全く症状がみられないわけではありません。放射線治療の副作用は、治療期間中に発生する急性期有害事象と、治療終了数カ月後以降に見られる晩期有害事象に分類されます。
放射線治療の副作用は、治療期間中に発生する急性期有害事象と、治療終了数か月後以降に生じる晩期有害事象に分けられるとされています。急性期の副作用には、照射部位の皮膚炎、吐き気・嘔吐、全身のだるさ、腸炎、肛門炎などがあります。
治療中は、激しい運動を避け、疲れやだるさを感じたら無理をせず休むことが大切です。少量ずつでも食事や水分を摂るように心がけ、どうしても難しい場合は主治医に相談してください。
トモセラピーによる治療後、数か月後以降で晩期有害事象が発生するリスクがあります。晩期有害事象には、腸閉塞や腸出血・潰瘍・穿孔、ろう孔形成、骨盤骨折、二次がんなどが含まれますが、重篤な症状はまれです。放射線治療に関して不安や心配がある場合は、主治医に相談してください。
トモセラピーは、がん病巣に焦点を当てる治療ですので、周囲の正常な組織への負担を抑えられます。上述した以外にも、さまざまなメリットが期待できる治療法ですが、すべての方に適している治療ではありません。
虫垂がんの治療は、手術・化学療法・放射線療法などがあり、初期段階のがんでは、手術を選ぶことが多いといわれています。転移がある場合には、化学療法・放射線療法を組み合わせて用いられることがあります。
メリット・デメリットをしっかりと把握したうえで、検査データも踏まえ、担当医としっかりと相談してください。トモセラピーによる治療を希望している方は、導入している医療機関を受診し、治療法について医師に相談してください。
がんの方の生活の質を高めるための「緩和ケア」について紹介しているサイトです。主治医に「治療がない」と言われた方でも受けられる可能性がある治療についてもまとめています。