有棘細胞癌の治療についてご紹介しています。どのような症状が出るのか、治療方法なども詳しくきさいしていますので、ぜひ、参考にしてください。
表皮の有棘層という場所から発生するがんで、高齢者に多いことが特徴です。紫外線の影響を受けた部位に発生する事が多いですが、やけどや傷の痕、放射線治療を受けた部位にも発生することがあります。
女性の外陰部に発生する場合があり、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)が関与していると考えられています。また、また男性器の亀頭部に発生する、ケ-ラー(Queyrat)紅色肥厚症もHPVが関与すると考えられ、有棘細胞がんの前駆症状とも考えられています。
初期の有棘細胞がんは、湿疹に似ており、ステロイドの塗り薬などを使っても治らないので、検査をしてみたらがんだった、というケースも多くあります。また、臀部などにおできが多くできる慢性膿皮症とも混同されることもあります。進行すると浸出液の多い潰瘍や盛り上がった腫瘍が生じ、血管を破壊して出血することもあります。
このがんの特徴として、皮膚の「垢」になる寸前の細胞ががん化しているので、膿のような細胞がたまって細菌が付着し、特有の臭気を放ちます。経過としては、がんが表皮内にとどまれば転移は稀だと言えます。しかし、真皮に浸潤するとリンパ節への転移が起こってしまい、肺や肝臓、脳にも広がる可能性あります。ほかの皮膚がんと同様に早期発見で切除すればそれで治療は完了します。
有棘細胞がんの治療は手術が可能か否かで異なります。手術可能なⅢ期までのがんでは、リンパ節転移があっても遠隔転移はないと考えられています。しかし、このがんの特徴として、リンパ節周囲を取り囲むように広がる性質があるので、手術で取り切れないこともありえます。
そのため、大きながんに対しては放射線や化学療法でがんを縮小させてから手術を行います。また、再発・転移リスクは大きさや境界の明確さに依存し、治療方針に影響します。通常、Ⅲ期までの場合は原発巣は最低限4mm離して切除します。
高リスクの領域にできたがんや、皮下に浸潤しているがんは、がんから6~10mm離して切除します。手術不可能な場合は放射線治療が一般的ですが、転移がある場合は化学療法が選択されます。再発の危険性が高いと考えられる症例には、手術後に放射線治療を実施することもあります。また、選択肢の一つとしてトモセラピーも対応しています。
がんの方の生活の質を高めるための「緩和ケア」について紹介しているサイトです。主治医に「治療がない」と言われた方でも受けられる可能性がある治療についてもまとめています。