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トモセラピーによる甲状腺がんの治療

このページでは、甲状腺がんの治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。

トモセラピーで甲状腺がんを治療するメリット

狙った病巣をピンポイントで照射

トモセラピーは、強度変調放射線治療(IMRT)と画像誘導放射線治療(IGRT)と呼ばれる2つを組み合わせた放射線治療装置です。トモセラピーに内蔵されているCTを用いて、治療直前に画像の撮影を行います。その画像から、腫瘍や周囲の正常な臓器の位置を確認し、事前に計画した通りに位置を微調整するのです。このような特徴から、トモセラピーは狙った病巣をピンポイントで照射できます。

正常な組織への被ばくや副作用を抑えやすい

トモセラピーは、腫瘍の形に合わせて放射線の照射が可能です。コンピュータ制御によって、放射線の強度や形状を変化させながら、360度方向から照射を行えるのです。以上のことから、周囲の正常な組織にはなるべく放射線を照射しないよう調整し、従来の治療と比べると、健康な組織への被ばくと副作用を抑えられる治療だと言えます。

抗がん剤などの薬物療法と比較すると、全身の副作用が起こりにくい点もメリットです。

患者の負担を軽減できる治療

トモセラピーを用いると、広範囲の治療を行えるため、比較的大きながんはもちろん、複数のがんを1度に照射できます。 腫瘍の大きさや部位、種類、形状によらず、効率よく放射線治療を行えるのです。一度に数か所をまとめて照射できるため、状態によっては仕事をしながら治療を受けられるでしょう。

トモセラピーで甲状腺がんを治療するデメリット

副作用が全く見られないわけではない

トモセラピーは比較的副作用を抑えられる可能性のある治療法ですが、全く症状が見られないわけではありません。トモセラピーによる治療を受けた後、口内炎や咽頭炎などの粘膜炎、皮膚炎、飲み込みにくさなどの症状が見られる場合があります。

上記のほかには、疲労感やだるさ、食欲低下、吐き気、下痢などが見られることもあるでしょう。

副作用の症状や程度には個人差があるため、気になることがある場合は主治医に確認してみるとよいでしょう。

吐き気や飲み込みにくさが生じる場合がある

前述の通り、トモセラピーを受けると、吐き気や飲み込みにくさなどの副作用が見られる場合があるため、注意が必要です。

治療後、吐き気や食欲不振などの症状がある場合は、食べられるものや食べたいものを選びましょう。一般的に、あたたかい食べ物は吐き気を誘発しやすいです。アイスクリームやシャーベット、ゼリー、果物など冷たくて口当たりの良い食べ物を試してみましょう。

飲み込みにくいときは、ゼリー飲料やとろみをつけた飲み物を取り入れてみてください。もし吐き気が強くて何も食べられない場合、我慢せずに、早めに主治医に相談することが大切です。

甲状腺がんの治療方針を決めるときの注意点

トモセラピーは甲状腺がんの治療に有効であり、さまざまなメリットが期待できる治療です。しかしデメリットもあり、全ての方に適しているわけではないため注意が必要です。甲状腺がんの状態や症状などによってはほかの治療法を選択したほうが良い場合もあるため、主治医としっかり相談して決めましょう。

トモセラピーについて詳しく知りたい方は、導入している医療機関を受診して相談してください。

       
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