このページでは、外陰がん治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。
外陰がんの多くは、大陰唇に発生するとされていますが、小陰唇や陰核といった部位にも発生するケースがあります。がんが進行した場合、鼠径リンパ節という、太もものつけ根周囲の転移しやすくなります。さらに進行すると、鼠径部や骨盤リンパ節、遠隔転移をしやすいのが特徴です。
がんが早期の状態では自覚症状のない場合があります。見られやすい症状には、外陰部の腫瘤や痒み、熱感、痛み、出血、皮膚の色が部分的に白くなる白斑、色素沈着といったものがあります。
外陰がんの検査は視診や触診に加えて、コルポスコープ診・組織型などを確認するための生検、がんの広がりや転移の有無を調べるためにX線検査やCT検査、MRI検査などを行います。外陰がんの進行の程度や全身状態、検査値などから治療法を検討していくことになります。
トモセラピーは、アメリカで開発されたがんの放射線治療機器です。放射線治療装置とCTが一体となった装置で、強度変調放射線治療(IMRT)専用としてがん治療で使用されます。
婦人科系のがん治療にも幅広く活用され、外陰がんや膣がん、卵巣がん、卵管がん、子宮体がん、子宮頸がんなどに適応しています。
トモセラピーによるがん治療は、一度の治療で複数のがん病巣へ必要な照射が行えます。多発転移のがんであっても、単一のがん病巣と同じように治療できる点が大きな特徴です。
正常な臓器や組織を避け、がんの形状そのものに放射線照射が行えるため、副作用を軽減でき、身体に優しい治療です。
トモセラピー治療は、外科的治療のように、治療時に痛みや出血などを伴いません。がんの形状に絞り込めるので照射範囲を抑えられることから、比較的短時間で済み、患者の身体的・精神的な負担を軽減します。状態によっては、通院治療が可能なため、生活の質を保ちながら治療生活を送ることができます。
トモセラピーは副作用が起きにくいですが、症状が何も現れないわけではないため注意しなければなりません。放射線を照射した部位は皮膚炎が起きやすく、皮膚が日焼けしたような状態になることもあります。
照射部位やその周囲は、特に清潔と安静を保つ必要があるため、摩擦を起こさないようにするほか、排物物による皮膚への刺激を避けるようにしましょう。
外陰部周囲へ放射線を照射すると、晩期放射線合併症を発症するおそれもあります。晩期合併症の代表的な症状は、外陰部皮膚の潰瘍(組織が欠損した状態)が挙げられます。また、腟や直腸、膀胱といった部位の粘膜に潰瘍が見られたり、深部静脈塞栓症、下肢のリンパ浮腫といった症状が起きたりするリスクもあります。
そのほか、尿道と腟の間に穴が開いてしまう尿道腟瘻や、尿道や腟の通りが狭くなることもあります。副作用で心配なことがある方は、主治医に相談してください。
トモセラピーを使用すると、がん病巣へ狙いを定めた治療を行えます。トモセラピー治療には、今回ご紹介した以外にもさまざまなメリットが期待できますが、すべての方に適しているわけではありません。
基本的に外陰がんの治療は、手術・放射線治療・抗がん剤による化学療法となっており、がんの進行の程度や全身状態などから検討し、主治医との相談によって決まります。
トモセラピーによる治療を考えている方は、トモセラピーを導入している医療機関を受診し、医師とよく相談してください。
がんの方の生活の質を高めるための「緩和ケア」について紹介しているサイトです。主治医に「治療がない」と言われた方でも受けられる可能性がある治療についてもまとめています。