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トモセラピーのmvctとは

トモセラピーとは

トモセラピーは、アメリカで開発されたがんの放射線治療装置です。がん病巣を包み込むように放射線を照射しつつも、正常な臓器への線量を軽減できる治療システムです。

トモセラピーを用いた治療は、毎回照射する直前に、内蔵されているCTでがん病巣や周囲臓器の位置を確認し、ズレを補正したうえで正確性の高い照射を行います。

CTとは

CT(Computed Tomography:コンピューター断層撮影)は、治療を行う前にがん病巣の有無や、他の臓器への転移がないかを確認する医療機器です。また、治療効果の判定や、治療後の再発の有無を確認するなど、さまざまな目的で使用する精密検査でもあります。

トモセラピーのmvctとは

mvct(Megavoltage CT)とは

高エネルギーX線を用いたCTスキャナのことで、放射線治療装置に搭載され、治療計画(プランニング)時や治療中の位置照合、病巣の変化の確認、線量分布の計算などに用いられる画像技術です。

トモセラピー内には、mvct(Megavoltage CT)が内蔵されているため、毎回の治療時にCTの撮影ができ、リアルタイムでがん病巣の位置を正確に把握できるため、画像誘導放射線治療(IGRT)が可能です。さらに、放射線ビームを360度方向から連続回転させながら照射するため、より精度の高い強度変調放射線治療が行えます。

画像誘導照射(IGRT)

画像誘導照射は、画像情報を使用して位置合わせを行う技術のことです。治療台に患者が寝ている状態で撮影したX線画像・CT画像により、骨やがん病巣、正常組織の位置情報を正確に把握し、治療台を適切な位置に誘導する役割を担います。

トモセラピーの照射

トモセラピーは、小型のリニアック(放射線治療装置)をCT装置に組み込んだ構造となっている治療装置です。この装置は、画像誘導照射のほかに、ヘリカル回転照射やダイレクト照射、強度変調放射線治療(IMRT)といった特徴があります。

ヘリカル回転照射

これは、ビームの形を高速で変化させながら回転し、寝台をゆっくり移動させることで、複数のがん病巣をらせん状に高精度で照射します。広範囲かつ、つなぎ目のない照射が可能になります。

ダイレクト照射

照射する角度を固定して行う技術です。この技術は、乳がん温存術後の放射線治療にも使用できます。

強度変調放射線治療(IMRT)

治療効果を高め、副作用を抑えるための機能です。

IMRTは、照射する位置・角度によってビームの形や時間を変化させながら照射する方法で、さまざまな放射線ビームを重ね、がん病巣と周辺正常組織への放射線分布を最適化します。

そのため、がん病巣には高い放射線量を与えつつ、周囲の正常な臓器には、なるべく影響を小さくできるよう放射線量を抑えることができます。

トモセラピーの適応症

トモセラピーは、さまざまな疾患に適応できるのが特徴です。脳腫瘍や頭頸部腫瘍をはじめ、体部腫瘍、脊髄腫瘍、血液がんの骨髄移植における前処置などに適応できます。

まとめ

トモセラピーには、Megavoltage CT(MVCT)が内蔵されているため、毎回の照射を行う前にCT撮影ができ、リアルタイムでがん病巣の位置を把握できる画像誘導放射線治療(IGRT)を行えるのが特徴です。また、ヘリカル回転照射やダイレクト照射、強度変調放射線治療(IMRT)などの機能があるため、副作用を低減した治療が可能です。

従来の放射線治療では照射が困難だった事例や、転移がんなどにも対応できる可能性がありますので、治療を受けてみたい場合は、主治医へ相談してみるのがおすすめです。

以下では、トモセラピーの基礎知識について解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

トモセラピーの基礎知識

       
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