トモセラピーによる肝臓がんの治療

このページでは、肝臓がん治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。

トモセラピーで肝臓がんを治療するメリット

病巣に狙いを定めて照射可能

トモセラピーとは、強度放射線治療専用の装置のことを言います。コンピューターの技術を用いて、なるべく正常な組織へダメージを与えないようにしながら、病巣に狙いを定めて照射します。 治療を実施する場合、照射する場所や時間、範囲を細かく調整して、病巣のみを照射できるため正常な細胞への影響を抑えることが可能です。薬物療法などと比べると副作用を軽減できるのがメリットでしょう。

複雑な形をしているがんも照射できる

トモセラピーはらせん状に回転する放射線を自在に調整しながら十分な強度で照射できると言われています。がんの形に合わせながら照射できるため、複雑な形をしている病巣に対しても治療できるのがメリットでしょう。

いびつな形のがんや領域への照射ができるのですが、保険適用の範囲が限定されていましたので、前立腺がんや頭頸部領域の治療に利用することが多い状況でした。しかし最近ではさまざまながんに適用となっており、肝臓がんの治療にも採用されています。

治療中に痛みや出血を伴わないため患者の負担軽減に繋がる

がんなどの治療での痛みや出血などの症状は、患者にとって大きな負担となります。トモセラピーは治療中の痛みや出血などの症状を伴わないため、治療時における患者の負担を軽減できるのがメリットだと言えます。

トモセラピーで肝臓がんを治療するデメリット

食欲不振や嘔気が見られる可能性がある

副作用を抑えやすい治療として知られているトモセラピーですが、まったく症状が見られないわけではありません。食欲不振や嘔気などの消化器症状が見られるケースがあります。

食欲不振が見られる場合には、少量でもカロリー摂取ができる食品を選んだり、消化が良くて栄養価が高いものを摂取したりするのがおすすめです。食欲がなくて食事をほとんど摂取できない場合は、早めに医師に相談してください。

倦怠感や疲労感が生じる場合もあり

がんで放射線治療を受けると、疲労感や倦怠感等の症状が見られる場合があります。このような身体的な症状だけではなく、無気力などの精神的症状を呈する方もいます。

それ以外にも、治療による体調変化で不眠や不安などが見られるケースもあります。

疲労感や倦怠感等の症状がある場合には無理をせず、ゆっくり休むようにしてください。治療や体調の変化による精神症状が強い場合、医師や看護師に相談してみるとよいでしょう。

肝臓がんの治療方針を決めるときの注意点

肝臓がんの治療に用いられることがあるトモセラピーは、さまざまなメリットが期待できます。しかしデメリットもあるため、すべてのケースに適しているわけではありません。

肝臓がんの状態や年齢、体力などによっては、手術療法や薬物療法など他の治療をすすめられるケースもあります。治療法は、情報収集を行って主治医に相談しながら決めるようにしましょう。トモセラピーを受けようかと検討している方は、導入している医療機関を受診して相談しながら、自分に合った治療法を選択するようにしてください。