トモセラピーによる脳腫瘍の治療

このページでは、脳腫瘍治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。

トモセラピーで脳腫瘍を治療するメリット

ピンポイントで照射できる

トモセラピーは、強度放射線治療専用の装置のことを言います。コンピュータの技術を使って、なるべく正常な細胞へダメージを与えずに、病巣に対して集中的に照射を行えるのが特徴だと言われています。

トモセラピーは、肺がんや乳がん、胃がんなどさまざまながんを治療するために採用されていますが、脳腫瘍の治療にも使われている治療法です。トモセラピーを採用すると、手術では取り除けない場所にある脳腫瘍に対してピンポイントで照射できるのが特徴に挙げられます。照射する部位を決めるときの精度が高いことから、周囲の健康な脳への被ばくを抑えられるのがメリットです。

健康な細胞へのダメージを軽減できる

トモセラピーは、前述した通り病巣のみ照射することが可能なことから、周囲の健康な組織へのダメージを軽減できることが特徴として挙げられます。薬物療法など他の治療法と比較すると副作用が生じにくいのがメリットだと言えます。その他には、トモセラピーを実施する際、痛みや出血などが見られないため、身体への負担を軽減できるのです。

複数個所への照射が可能

トモセラピーは、回転しながら放射線の照射を行っていくことが可能です。このような特性があることから、照射範囲の精度の向上が期待でき、複数箇所への照射も行えるのです。複雑な動きに対応するトモセラピーは、手術で除去し切れなかった腫瘍を小さくしたり転移してしまった脳腫瘍の増殖を抑得られたりするメリットだと言えます。

トモセラピーで脳腫瘍を治療するデメリット

副作用が全く見られないわけではない

トモセラピーは副作用が軽減できることで知られていますが、まったく症状が見られないわけではありません。倦怠感や食欲不振、吐き気、頭痛、下痢、痛みなどの症状が見られる可能性があります。疲れやだるさが生じたら無理せず休むようにすることが大切です。副作用の程度は個人差が見られるので、気になることや不安な点がある方は主治医に相談するようにしましょう。

皮膚炎や中耳炎が生じるケースも

放射線治療を受けると、個人差はありますが皮膚炎が見られることがあります。皮膚炎の延長として、外耳道炎や中耳炎なども診られるケースがあります。皮膚炎や中耳炎は、塗り薬や点耳薬で徐々に改善することがあるので、気になる症状があれば主治医に相談するようにしてください。

脳腫瘍の治療方針を決めるときの注意点

トモセラピーは脳腫瘍の治療に有効であり、さまざまなメリットが期待できます。しかし、デメリットがあったり、全ての症例に適用できたりするわけではありません。全身状態や症状などによってはほかの治療法を選択したほうが良いケースもあるので、主治医としっかり相談したうえで決めるようにしてください。検査データはもちろん、症状や年齢など考慮して、自分に合った治療法を主治医と話し合っていくようにしましょう。