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トモセラピーによる線維肉腫の治療

このページでは、線維肉腫治療におけるトモセラピーのメリット・デメリットを紹介しています。

線維肉腫とは

線維肉腫は、身体の軟部組織や骨といった部位に発生する悪性腫瘍です。すべてのがんの中でも比較的稀であり、特に若年層に多く見られやすいのが特徴です。この疾患は、高い局所再発率と遠隔転移のリスクがあります。

線維肉腫はさまざまな異なる亜型に分類されますが、一般的なタイプは、脂肪肉腫・平滑筋肉腫・骨肉腫です。コラーゲンを産生する線維芽細胞が悪性化してしまうことによって発症するとされていて、手足などの四肢、体幹に発生します。

主に見られる症状は、手足や胸、腹部、首などに発生するやや硬いしこりや腫れです。しこりには痛みがないケースが多いので、長い間放置してしまう方も少なくありません。

しこりがだんだん大きくなり、周辺の神経や血管を圧迫することにより、しびれや麻痺、手足の腫れといった症状が現れることもあります。

検査

問診では、しこりの状態や今までの変化、痛みや可動域制限といった症状について確認します。その後、画像検査や病理組織検査を実施したうえで、確定診断をします。

腫瘍のある部位や形、大きさ、広がりを確認する検査として有用なのがMRI検査です。CT検査は、肺などの臓器へ転移していないかを確認する際に用いられます。それ以外には、PET-CT検査を行って、腫瘍の部位や広がり、良性・悪性の判断をする場合もあります。

治療

線維肉腫の治療は、以下の通りです。

  • 手術療法:線維肉腫の治療は、手術療法によって腫瘍をしっかり取り切ることが非常に重要です。腫瘍の進行や大きさなどによって、手術前後に薬物療法や放射線治療を組み合わせて実施するケースもあります。
  • 放射線療法:腫瘍の切除が困難なケースや多発転移の見られる場合には、薬物療法をメインとした治療も検討します。
  • 化学療法:放射線療法は手術療法と併用したり、手術が困難な場合に単独で行うケースもあります。

トモセラピーで線維肉腫を治療するメリット

線維肉腫も治療適応

トモセラピーは、アメリカで開発されたがんの放射線治療装置です。放射線治療装置とCTが一体となった強度変調放射線治療(IMRT)であり、治療する箇所を高い精度で定められるのが特徴です。

骨肉腫や脂肪肉腫といった腫瘍も治療できるほか、ユーイング腫瘍や繊維肉腫、平滑筋肉腫といった疾患にも適応しています。

放射線の形・強度を変化させながら照射可能

がん病巣の状況を確認しながら、ピンポイント照射はもちろん、より広い範囲の治療まで幅広く使用可能な治療装置です。

仰向けに寝たまま、CT検査のようにベッド自体が動きながら放射線をあてていきます。

がんの形状に合わせて、放射線の形・強度を変化させながら、360度さまざまな方向から放射線を照射します。がん病巣へ集中照射しながらも、周囲の正常な組織への負担を抑えることができます。

病状によっては通院治療も可能

トモセラピー治療は、照射中に痛みや出血などの身体的な負担を伴いません。病状や全身状態によっては、通院治療も認められているため、患者の負担を軽減した治療といえます。

トモセラピーで線維肉腫を治療するデメリット

照射部位の赤みや腫れ

副作用が見られにくい治療法として知られているトモセラピーですが、症状が何も起きないわけではないため、注意が必要です。放射線を照射した部位の赤みや腫れなどの症状が現れる可能性があります。症状の現れ方には個人差がありますので、不明なことは主治医に確認しておくことが重要です。

吐き気や食欲不振などの症状

腫瘍が体幹に生じた場合、胸部や腹部といった広範囲に放射線照射をすると、吐き気や食欲不振が起きることがあります。このような症状がある際に食事をしようとすると、余計に悪化するおそれがあります。

食事は気分のよいとき、食べられるものを食べるようにするほか、タイミングを見ながら少しずつ何回かにわけて摂取するのが望ましいです。のど越しがよくて冷たい食品が食べやすいこともあります。

線維肉腫の治療方針を決めるときの注意点

トモセラピーなら、がん病巣を高い精度で集中照射できる治療を行えます。トモセラピーを用いた治療には、ご紹介した以外にもさまざまなメリットがありますが、すべての方に適しているわけではありません。

基本的に線維肉腫の治療は、手術でしっかりと切除することが推奨されていますが、切除困難な腫瘍や転移が見られるケースでは、放射線療法や化学療法を選択する場合もあります。治療方法を決めていく場合、主治医としっかり相談していくことが望ましいです。

メリット・デメリットについて十分把握したうえで、血液検査や画像検査などといった検査データも含めて、医師へ相談するようにしてください。トモセラピーによる治療を考えている方は、導入している医療機関を受診のうえ、相談してください。

       
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