トモセラピーは、ひと言で表現すると従来の放射線治療装置とCTスキャナの融合体のようなシステムです。
この画期的なデザインによって、毎回の治療前にCTでの高精度な照射位置合わせを実現し、3D画像誘導による極めて正確な強度変調放射線治療を行なうことが可能になりました。 腫瘍に放射線を集中させ、正常組織へのダメージを極力軽減できるのです。
トモセラピーは、その原理上、ほとんどの固形がんに威力を発揮します。特に正常組織と隣接している固形がんの場合は、複雑な形状のがんであっても正確に放射線を照射できます。
そのため、再発がんや多発転移がんでも治療が可能です。
実際にトモセラピーは、根治治療から緩和ケアにおける痛みの軽減目的にまで、非常に幅広く実施されています。
リニアックは複数の方法で放射線治療を実施する装置ですが、トモセラピーはIMRT(強度変調放射線治療)専用のシステムで、CTスキャナのように放射線を患者さんの周りに回転させながら照射します。
リニアックの場合は1回の最大照射範囲がおよそ40cm×40cmの広さを上限としますが、トモセラピーの場合は1回に最大135cmまで切れ目ない照射が可能です。
トモセラピーは保険診療の範囲が決められており、保険適用となるのは限局性の固形がんです。特にトモセラピーの利点が活かされるのは、前立腺がんや上咽頭がん、脳腫瘍、直腸がんなど、がんに正常組織が隣接しているケースです。
それ以外のケースについては自由診療扱いとなります。
前述の「限局性の固形がん」とは、全身に転移していないがんを指します。つまり、全身に転移しているがんに対するトモセラピー治療は保険適用外ということです。
しかし、保険適用外だからといって治療効果が望めないということではありません。むしろ、再発がんや転移がんに対する放射線治療として、トモセラピー治療は痛みの緩和も含めて効果が期待できると考えられます。
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どんな放射線治療でも、正常組織への影響を100パーセント抑えることはできません。がんに隣接する組織への放射線の影響は、少なからず副作用としてさまざまな症状が現れるでしょう。
トモセラピーは照射位置合わせの正確性によって正常組織へのダメージを極力減らすことができます。もちろん個人差はありますが、副作用の軽減も期待できるでしょう。
トモセラピーの治療回数はがんの種類や状態に応じて変わりますが、一般的な保険診療のケースでは、月曜日から金曜日までの平日5回を5週間~8週間程度繰り返します。
1回の照射時間は20分程度と短めですが、平日は毎日通う必要があり、待ち時間等を含めると拘束時間はどうしても長くなります。
一方、自由診療の場合はこうした制限がないため、医師と相談しながら、体に負担の少ない範囲で1回の照射時間を増やし、治療期間を短縮することも可能です。
病気の進行状況なども考え、少しでも早く治療を受けたい場合は自由診療をおすすめします。
トモセラピーの治療は、保険診療か自由診療かで大きく異なります。
保険診療におけるトモセラピーの費用は国の診療報酬制度で決められており、照射の費用は1回につき33,000円です。自己負担額は、加入している健康保険によって変わります。
仮に負担額を1回11,000円とした場合、平日5日の治療を8週間行った場合は、照射費用の自己負担は44万円。ここに別途、診察料や検査費用、薬代などが加算されます。
トモセラピー治療に限らず、自由診療の場合は医療機関によって料金設定が大きく異なります。
定額制の自由診療でトモセラピー治療を行なっているクリニックの例を挙げると、トモセラピーの治療費は193万円(治療期間の診察料込み)となっています。
トモセラピーによる乳がん治療には以下のメリット・デメリットがあります。
乳がんに対して放射線を集めやすく、1本あたりのエネルギーが少ないため、角度を固定して照射する場合も皮膚などへの影響を抑えられます。副作用をある程度抑えられる点が特徴です。
副作用が全くないわけではありません。乳がんの治療では、皮膚炎や肺炎などに注意が必要です。
トモセラピーによる胃がん治療には以下のメリット・デメリットがあります。
正常な細胞の被ばくと副作用を抑えやすい点がメリットです。外科手術と比べ負担が少ない治療といえます。1回あたり10~30分程度で施術が受けられるため、ケースによっては通院での治療も可能です。
治療後1カ月程度の間に、下痢や嘔吐などの副作用が現れることがあります。
トモセラピーによる頭頸部がん治療には以下のメリット・デメリットがあります。
事前に撮影したCTデータを用いることにより、病巣のみへの照射が可能である点がメリットです。また、健康な組織へのダメージを抑えられる可能性もあり、薬物療法と比較すると全身の副作用が起こりにくいと考えられています。
比較的副作用が起こりにくいものの、副作用がゼロになるわけではありません。食欲不信やだるさ、疲労感、頭痛、吐き気、下痢などに加えて、照射部位の赤みなどの副作用が起こってくる場合もあります。
トモセラピーによる肺がん治療には以下のメリット・デメリットがあります。
可能な限り正常な細胞へのダメージを抑えながら放射線の照射が可能な点がメリット。また、複雑な形の腫瘍の場合でも、集中的に照射を行えるという面、比較的副作用を抑えられるという面もあります。
副作用が比較的起こりにくいとはいえ、治療による副作用が全く起こらないわけではないという点がデメリットとしてあげられます。また、症状によっては他の治療方法の方が合っている可能性もありますので、主治医と良く相談することが必要です。
トモセラピーによるステージ4・末期がん治療には以下のメリット・デメリットがあります。
病巣に集中的に照射できるのがメリットです。治療時間が約5分~20分短く、複数のがん病巣を同時に治療できるため、治療回数が少ないのもメリットのひとつです。
症状や放射線治療を行う部位によってリスクはさまざまありますが、だるさや疲労感・食欲不振・頭痛・吐き気・下痢などの副作用の可能性があります。
トモセラピーによる前立腺がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは内蔵されているCTで放射線を照射する病巣の場所を確認できるため、放射線装置によってがんの形や大きさをとらえてピンポイントで治療することが可能です。治療時に痛みや出血などの症状は見られない点や、副作用が軽減できるのもメリットに挙げられます。
トモセラピーは従来の放射線治療に比べると副作用が軽度ながらも頻尿や排尿痛、排尿困難、下痢、直腸や肛門周囲の炎症など見られるケースがあります。気になることがある場合、主治医に相談するのが望ましいです。
トモセラピーによる脳腫瘍の治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーを採用すると、手術では取り除けない場所にある脳腫瘍に対してピンポイントで照射可能です。照射する部位を決めるときの精度が高いことから、周囲の健康な脳への被ばくを抑えられる点もメリットだと言えます。
トモセラピーは副作用が生じにくいことで知られていますが、全く症状が見られないわけではありません。倦怠感や食欲不振、吐き気、頭痛、下痢、痛みなどの症状が見られる可能性があります。心配なことは主治医に確認しておくようにするとよいでしょう。
トモセラピーによる口腔がん・舌がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーを用いると、照射する部位や範囲、時間などを細かく調整して、病巣のみをピンポイントで狙えるのがメリットの1つだと考えられます。病巣のみを照射できるため、健康な細胞へのダメージを抑えられたり、薬物療法と比べると副作用が見られにくい点がメリットと言えます。
トモセラピーは副作用が生じにくいことで知られている治療ですが、症状が見られないわけではありません。皮膚の発赤やかゆみ、味覚障害、口腔内の乾燥、頭痛、倦怠感などの症状が出現する可能性があります。副作用の現れ方には個人差が見られるので、心配なことがある方は主治医に相談しておくとよいでしょう。
トモセラピーによる上顎洞がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、IMRT(強度変調放射線治療)とIGRT(画像誘導放射線治療)を合わせた放射線治療装置のことを言います。内蔵されているCTを用いて毎回治療するたびに病巣の三次元画像を取得して、位置を確認しながらピンポイントで照射できるのがメリットです。
トモセラピーは副作用が生じにくいことで知られている治療ですが、まったく症状が見られないわけではありません。副作用は照射する範囲によって異なりますが、粘膜炎や味覚障害、口内乾燥、皮膚炎などが見られる場合があります。気になることがある方は主治医へ確認しておくようにしましょう。
トモセラピーによる大腸がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、強度放射線治療専用の装置のことを言います。コンピュータの技術を用いて、正常な細胞へなるべくダメージを与えず、病巣へ放射線を照射できるのがメリットです。従来の治療よりも正常な組織への被ばくを抑えられる点も特徴として挙げられます。
トモセラピーは副作用が見られにくい治療ですが、全く症状が起きないわけではないため注意が必要です。副作用は照射する範囲によって異なりますが、胃や大腸などに放射線を照射すると、食欲不振や嘔気・嘔吐などの消化器症状が見られるケースがあります。
トモセラピーによる肝臓がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、強度放射線治療専用の装置のことを言います。らせん状に回転する放射線を自在に調整しながら十分な強度で照射できると言われています。がんの形に合わせて照射できるため、複雑な形をしている病巣に対しても治療できるのがメリットでしょう。
トモセラピーは副作用が見られにくい治療ですが、症状が起きないわけではないため注意が必要です。食欲不振や嘔気などの消化器症状や疲労感、倦怠感などが生じる可能性があります。気になることがある場合、主治医に相談しておくことがおすすめです。
トモセラピーによる子宮頸がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、強度放射線治療専用の装置のことを指します。細い放射線のビームを組み合わせて治療を実施すると、照射したい部位に沿って線量分布を描きながら、避けたい部位はなるべく放射線が軽減することが可能な点がメリットです。
トモセラピーは副作用が見られにくい治療ですが、症状が起きないわけではないため注意が必要です。嘔気や嘔吐、下痢などの症状が見られたり、皮膚炎などが生じたりする場合があります。気になることがある場合、あらかじめ主治医に相談しておきましょう。
トモセラピーによる脊椎腫瘍の治療には以下のメリット・デメリットがあります。
アメリカで開発された放射線治療装置であるトモセラピーは、2002年から治療が始まりました。その後、世界中の医療機関で導入の動きが広まっており、国内でも増えつつあります。トモセラピーを使うと病巣をピンポイントで照射できるため、健康な組織へのダメージをなるべく抑えられるでしょう。
トモセラピーは副作用が起きにくいですが、全く症状が見られないわけではないため注意が必要です。照射する部位によって起きる症状は異なりますが、皮膚炎や倦怠感などが見られる可能性があります。
トモセラピーによる悪性リンパ腫の治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、強度放射線治療専用の装置のことを言います。従来の治療に比べると、病巣に対して高線量を照射しつつも、健康な部位への線量を低減できるのがメリットです。
トモセラピーは副作用が起こりにくい治療法ではありますが、全く症状が起きないわけではありません。放射線を照射すると粘膜が荒れて痛みが生じたり、食欲低下や嘔気が見られたりする可能性があります。
トモセラピーによる食道がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーとは放射線治療装置の名称のことです。CTが内蔵されており、放射線を照射する病巣の位置を確認してピンポイントで放射線を照射できます。周囲の健康な組織への影響が少ないため、病巣に対して高い線量を照射できるのがメリットです。
従来の放射線治療よりも副作用が軽減できる治療ですが、症状が全く見られないわけではありません。食道がんに対して照射すると、喉のつかえや痛み、皮膚の炎症などが見られる場合があります。
トモセラピーによる骨転移の治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、放射線治療装置のことです。さまざまながんの治療に用いられていますが、骨転移にも有効だと言われています。多発の骨転移でも単発であっても、一度にピンポイントで照射できるのが特徴的。正常な組織へのダメージを軽減した体に優しい治療だという点もメリットです。
従来の放射線治療と比較すると副作用が少ない治療ですが、症状が全く見られないわけではありません。嚥下時の痛みや食欲低下などの症状が見られる可能性があるため注意しなければなりません。
トモセラピーによる胆道がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
放射線治療装置であるトモセラピーにはCTが内蔵されており、病巣の形や大きさをとらえ狙いを定めて照射できます。肺がんや膵がんなどさまざまながん治療に用いられていますが、胆道がんに対して有効なのかどうかは研究段階にあります。胆道がんの治療法については、主治医に確認するようにしてください。
従来の放射線治療と比較すると副作用が少ない治療ですが、症状が全く見られないわけではありません。食欲不振や吐き気、嘔吐、だるさ、無気力などの症状が見られる可能性があるため注意が必要です。
トモセラピーによる皮膚がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
皮膚がんの中でも血管の内側ががん化する 血管肉腫は、トモセラピーを用いた治療に向いていると言われています。このがんでは、頭部という弯曲した部位に生じた、面積の比較的広い病変に放射線を当てることになります。そのような部位に向いているのが、複雑な病巣や、一度に複数の腫瘍に対応できるトモセラピーです。
血管肉腫でもすべての症状にトモセラピーが適応しているわけではありません。ステージや転移の有無、がんの位置などによって適応ではないこともあります。
トモセラピーによる肛門がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは。肛門がんや直腸がんに使用されます。病変が起きている臓器と健康的な臓器が隣り合っている状態で高い精度の治療がおこなえるので、正常細胞への影響を抑えることができるので、患者さんにとって大きなメリットがあるでしょう。
肛門がんが肺や肝臓に病気が多く転移している場合や、播種(はしゅ)をしている場合は、根治を目的とした放射線治療の適応にはなりません。ほかの治療選択肢を考えることがあります。
トモセラピーによる甲状腺がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
CTが内蔵されているため、病巣へ狙いを定めて照射可能です。複雑な形状のがん病巣や複数への照射も行えるのが利点です。周囲の正常な組織へのダメージをなるべく抑えられるため、副作用が少なくて済みやすいメリットが期待できます。
副作用が全くないわけではありません。見られる症状には個人差がありますが、飲み込みにくさや食欲低下といった副作用や、照射部位の皮膚炎などが見られる場合があります。気になる症状があれば、医師に相談してください。
トモセラピーによる腎がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーを利用すれば、複雑な形状のがん病巣や広範囲への照射が可能です。病巣へ狙いを定めて治療できるため、周囲の正常な臓器へのダメージをなるべく軽減できるメリットが期待できます。また、出血や痛みを伴わない点も大きな特徴といえます。
副作用が見られにくいことで知られるトモセラピーですが、症状が全くないわけではありません。腹部に照射すると、食欲低下や吐き気、下痢といった症状が見られることもあるため、注意が必要です。吐き気が強く見られて食事が摂取できない場合、医師に相談しましょう。
トモセラピーによる咽頭がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは広範囲の治療を行えるため、比較的大きな腫瘍や、複数のがんへの照射も可能です。それだけではなく複雑な形状がんにも、その形に合わせながら照射できるとされています。出血や痛みを伴わないのは大きなメリットだといえます。
トモセラピーは、薬物療法などと比べると身体にかかる負担を軽減しやすいですが、副作用が全く見られないわけではありません。咽頭粘膜の炎症によって食事摂取時の痛みや味覚障害がみられる方もいるため、注意が必要です。主治医と相談しながら、食事の形態を工夫する必要があります。
トモセラピーによる聴器がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
IMRT(強度変調放射線治療)とIGRT(画像誘導放射線治療)を合わせた装置をトモセラピーと言います。がん病巣を360度さまざまな方向から狙い撃ちしながらも、周囲の正常組織には線量を低くして負担を減らせるのがメリットです。
トモセラピーは副作用が起こりにくい治療法ですが、症状が何も見られないわけではありません。聴器がんに放射線を照射すると、めまいや耳痛などが見られる可能性があるため、注意しなければなりません。気になる症状が見られた場合は、主治医に確認するようにしましょう。
トモセラピーによる唾液腺がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
放射線治療装置とCTが一体となったトモセラピーは、画像誘導放射線治療による精密な照射を行えます。痛みや出血などを伴わず身体的負担が少ないため、生活の質を維持しながら治療を受けられます。
患者の身体に優しい治療法ですが、副作用が全く見られないわけではありません。粘膜炎や皮膚炎、唾液分泌が減るなどの症状が見られることもあるため、注意が必要です。気になる点がある方は、主治医にしっかりと確認しましょう。
トモセラピーによる腎盂・尿管がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
強度変調放射線治療の専用装置として知られるトモセラピーは、放射線治療装置とCTが一体となっているため、がん病巣を狙い撃ちできます。がんに照射する線量をコントロールできるため、正常組織への線量を抑えられ副作用も軽減できます。
トモセラピーは副作用が見られにくい治療法ですが、全く症状が見られないわけではありません。照射した箇所の皮膚炎や粘膜炎が見られるほか、吐き気や下痢などの症状が現れる可能性もあります。心配なことがある方は、あらかじめ医師に確認しておきましょう。
膵臓がんの治療では、トモセラピーを使用している医療機関があります。ガンだけを狙い周囲の組織へのダメージを軽減できるトモセラピーは、がんの活動性を落とす術前照射や、術後の再発病変に対しておこなうこともあります。また、手術が難しい場合にも化学療法と組み合わせて使用されています。また、がんによる痛みを和らげる目的でトモセラピーが使われる場合もあります。特に骨転移を伴う場合には放射線治療が勧められています。
白血病にもトモセラピーは利用されています。造血器腫瘍と呼ばれる血液、骨髄、リンパ節が侵されるがんでは、放射線治療や化学療法が中心となります。白血病の場合には、骨髄移植をする前に全身への照射をおこなう場合があります。これは化学療法とともに患者さんの体内で腫瘍細胞を減少させる目的があります。減少をさせておかないと、移植をおこなったときに免疫細胞が活性化して拒否反応を起こすこともあるからです。
卵巣がんにおいて最初の治療でトモセラピーを含めた放射線治療が選択されることは通常ありません。その理由は、薬物療法の効果が高いためで、まず薬物療法をおこなうことになります。しかし、再発した場合や転移したがん、痛みの症状を緩和するためには放射線治療が使用される場合があります。卵巣がんは初期症状がほとんどありません。お腹が張った感じがしたり、下腹部にしこりを感じるなどの症状で医療機関を受診することが多いです。しかし、受診した段階ではすでにがんが進行していることも多くあります。少しでも異変があれば、早めの受診を心がけましょう。
トモセラピーは骨腫瘍治療への適応があります。特にほかのがんが骨に転移した「転移性骨腫瘍」場合に有効だと考えられています。一方で骨自体からがんが発生する「原発性骨悪性腫瘍」では手術を基本治療として、放射線治療は追加治療となります。転移性骨腫瘍では、主に乳がん、前立腺がん、肺がん、腎臓がんなどから転移してくることが多いです。原発性骨悪性腫瘍の場合は、比較的稀ながんであり、若年層に多く見られることが特徴です。
子宮体がんは、子宮内膜がんとも呼ばれ、子宮の内膜から発生するがんのことです。この子宮内膜は生理のときに剥がれ落ちてしまうため、子宮体がんが発生するのは、閉経後の女性に多くなっています。一方で、もう一つ子宮に発生する子宮頸がんは、比較的若い世代に多く発症しています子宮体がんはトモセラピーの治療対象になるがんです。基本的に子宮体がん治療の第一選択肢は外科手術となっていて、トモセラピーを含む放射線治療は、手術後の再発防止を目的におこなわれることがあります。
膀胱がんの主な症状は、血尿、頻尿、排尿時の痛み、尿が残る感じ、切迫した尿意などが挙げられます。血尿には、目で見てわかる赤や茶色の血尿と、顕微鏡で確認できる血尿があります。トモセラピーを含む放射線治療は、膀胱がんの標準治療ではありませんが、膀胱の温存を希望する場合や、全身状態などから膀胱全摘除術が難しい場合に、TURBTや薬物療法などと組み合わせた集学的治療の一部として行うことがあります。
GISTとは、Gastrointestinal Stromal Tumorの略称です。日本語では消化管間質腫瘍(しょうかかんかんしつしゅよう)と言います。胃や腸などの消化管に発生する悪性の腫瘍です。一般的な消化器がんは粘膜から発生すしますが、GISTの場合には粘膜の下層にある筋肉などの層から発生します。疼痛処置や転移がんなどにトモセラピーを含む放射線治療が使用されることがあります。
子宮肉腫は子宮の筋肉から発生するまれながんです。一般的な子宮体癌や子宮頸癌と異なる特徴があり、治療への反応も違います。子宮肉腫が婦人科領域の子宮体部悪性腫瘍に占める割合は4-9%となっています。病理所見により、平滑筋肉腫、子宮内膜間質肉腫、腺肉腫、癌肉腫などに分類されます。早期の手術による完全切除が最も有効な治療法で、トモセラピーなどの放射線療法が選択される場合があります。
基底細胞がんとは、皮膚がんの一種です。転移はしにくいですが、再発が多いことで知られています。手術での切除が主流ですが、手術ができない場合には化学療法や放射線治療が選択されます。
有棘細胞癌は、表皮の有棘層という場所から発生するがんで、高齢者に多いことが特徴です。基本は手術にて切除しますが、手術不可能な場合は放射線治療が一般的です。また、再発の危険性が高いと考えられる症例には、手術後に放射線治療を実施することもあります。
トモセラピーによる喉頭がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
喉頭を含む頭頚部は、大切な機能を持った臓器が密集しているところです。治療にトモセラピーを使用することで、喉頭に近い脊髄や唾液腺といった部位への放射線量を抑えられ、副作用を最小限にできる可能性が高まります。
口の周囲に放射線が照射されると、口の中の組織に炎症が生じて口内炎が現れたり、口の中の粘膜が乾燥すると言った症状が見られることがあります。
個人差はありますが、こうした副作用は一般的に放射線の治療後しばらくすると症状が緩和・回復するといわれています。
トモセラピーによる外耳がんの治療には以下のメリット・デメリットがあります。
外耳がんの場合、機能温存を目的とし、トモセラピーなどピンポイントでがんを治療できる放射線を用いるケースが少なくありません。
手術を行った場合であっても、その補助療法としてもトモセラピーが用いられ、合併症の減少にも期待が持たれています。
個人差は見られますが、放射線を照射した部分の毛母細胞に負担がかかり、毛髪が抜け、脱毛を起こしてしまうことがあります。
しかし局所的な副作用であることから、脱毛が起こっても放射線治療が終われば、いずれ改善されると見られています。
トモセラピーによる頭部脈管肉腫の治療には以下のメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、CT装置と放射線治療装置が一体となった構造のため、画像誘導放射線治療による精密な放射線治療を行えるのがメリットです。部位に沿った線量分布を描きながら照射でき、正常な組織にはなるべく放射線によるダメージが起きないよう軽減できます。
患者の身体に優しい治療法ですが、副作用が全くないわけではないため注意が必要です。食欲不振や脱毛などの症状がみられるおそれがあります。気になる点がある方は、治療前に主治医へ確認しておくのが望ましいです。
トモセラピーによる多発性骨髄腫の治療には以下のメリット・デメリットがあります。
アメリカで開発されたがんの放射線治療機器であるトモセラピーは、正常組織へのダメージを軽減した治療ができる装置です。強く当照射したいところには強く、弱くしたい部位には弱くとコントロールできるため、周囲の正常な組織のダメージを軽減できます。
トモセラピーは副作用がみられにくい治療法ですが、症状が全く現れないわけではありません。食欲不振や脱毛などの症状がみられるおそれがあります。気になる点がある方は、主治医へ確認しておくのが望ましいです。
トモセラピーによる原発不明がんの治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
原発不明がんは、原発巣が特定できないため多発転移がある場合があります。原発不明がんには通常標準治療では抗がん剤が適応となりますが、画像で数えられるがんであればトモセラピー治療の対象となる可能性があります。抗がん剤より患者の負担が軽いメリットがあります。
トモセラピーを照射する部位や、患者の体質などにもよりますが、照射した部位に炎症が起こったり、脱毛が起こったりします。また放射線により免疫力が低下し、感染症などのリスクが高くなります。
トモセラピーによる悪性黒色腫(メラノーマ)の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
悪性黒色腫(メラノーマ)は皮膚がんの中でも悪性度が高く、転移しやすいという特徴があります。万が一転移した場合でも、トモセラピーは1度に複数箇所に照射することが可能です。 また副作用も少なく、日常生活を送りながらの治療ができることもあります。
放射線を照射するトモセラピーは、局所的な副作用が起こることがあります。皮膚炎や脱毛が見られることがありますが、基本的には治療が終われば改善します。 また倦怠感や疲労感が出たり、免疫力低下により感染症にかかりやすくなることがあります。
トモセラピーによる胚細胞腫の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
胎生期に原始生殖細胞から発生した腫瘍である胚細胞腫は、10〜30歳の若い患者が多いことが特徴です。トモセラピー治療は痛みもなく副作用が少ないため、小児も治療を受けやすいです。
トモセラピーを行うにはIMRT(強度返照放射治療)の専用機が必要ですが、導入している医療機関は限られています。クリニック探しからする必要があり手術や化学療法などを受けた医療機関では、トモセラピーができないことがあります。
トモセラピーによる神経内分泌癌(カルチノイド)の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
神経内分泌癌(カルチノイド)は増殖速度が速く、転移や再発を起こす可能性が高いがんです。トモセラピーは1度に複数箇所に照射できるため、多発転移した場合でも治療回数が少なくてすむメリットがあります。
トモセラピーは保険適用の対象ですが、治療回数や転移した癌の場合、保険対象外となることがあります。保険が適用されない場合には治療費が高額となることがあるため、医療費控除や高額療養費制度などの利用を考慮する必要があります。
トモセラピーによる神経膠腫(グリオーマ)の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
コンピューターによる緻密な計算によって、腫瘍の形に合わせて放射線を照射できる特徴があります。がん組織に高い放射線量を与えながらも、周囲の正常組織への線量を低く抑えられるため、患者の身体に負担がかかりにくい治療といえます。
副作用が起きにくいといわれるトモセラピーですが、全く副作用がないわけではありません。皮膚炎や中耳炎、外耳炎などの炎症が見られたり、晩期合併症が起きたりするリスクがゼロではありません。
トモセラピーによる髄膜腫の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、複雑な形状の腫瘍に対して複雑な線量分布を詳しく決められるため、正常な部位への被曝を避けられるといわれています。記憶の形成に重要な役割を果たしているとされる「海馬」を避けて照射できるのもメリットです。
副作用が起きにくいといわれるトモセラピーですが、起こる可能性はゼロではなく、症状や程度には個人差が見られやすいです。皮膚炎や中耳炎、外耳炎などの炎症がみられるほか、視力障害や聴力障害などの副作用がみられることがあります。
トモセラピーによる神経鞘腫(シュワン細胞腫)の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、コンピュータ断層撮影装置とリニアック(放射線治療装置)を一体化させた装置のことで、正確にがん病巣と照射部位をとらえ、ピンポイントに放射線を集中照射できるのがメリットです。治療時に痛みや出血などの苦痛を伴わないのも特徴です。
副作用が起きにくいといわれるトモセラピーですが、全く症状が見られないわけではなく、症状や程度には個人差が見られやすいです。日焼けのようになる放射線皮膚炎が起きたり、悪心・嘔吐が起きたりすることがあるため注意が必要です。
トモセラピーによる髄芽腫(ずいがしゅ)の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
強度変調放射線治療(IMRT)専用の治療装置であるトモセラピーを使うと、さまざまなメリットが期待できます。IMRTはがん病巣に放射線を集中させ、周辺臓器への放射線量を低減できるため、従来の治療法より治療効果が高く副作用を抑えやすいです。
副作用が起きにくいといわれるトモセラピーですが、全く症状が見られないわけではないため、注意が必要です。照射された部位に起こる皮膚炎や脱毛、中耳炎、外耳炎が起きるほか、だるさや吐き気、嘔吐、食欲低下がおきたりもします。
トモセラピーによる中心細胞腫(セントラルニューロサイトーマ)の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
強度変調放射線治療(IMRT)専用の治療装置であるトモセラピーを使用した治療には、さまざまなメリットが期待できます。複雑な形状の病巣にも照射できるほか、副作用や身体への負担がなく、比較的安全な放射線治療のため、QOLの改善にもつながりやすいです。
副作用が起きにくいといわれるトモセラピーですが、何も症状が見られないわけではないため、注意しなければなりません。照射部位への炎症や吐き気・嘔吐などの症状が見られるおそれもあるため、その際は対策をとる必要があります。
トモセラピーによる上衣腫の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
強度変調放射線治療(IMRT)専用の治療装置であるトモセラピーを使用すると、さまざまなメリットが期待できます。がん病巣へ正確に狙いを定めて照射できるほか、ピンポイントで病巣へ照射できるため、正常組織へのダメージを抑え、短時間で治療が可能です。
副作用が起きにくいといわれるトモセラピーですが、症状には個人差が見られるため、注意が必要です。照照射された部位に見られる皮膚炎や脱毛、中耳炎、外耳炎などがあげられます。頭痛、悪心、嘔吐、めまい、全身倦怠感などを生じることもあるため、心配な方は主治医へ相談しておきましょう。
トモセラピーによる頭蓋咽頭腫の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
強度変調放射線治療(IMRT)専用の治療装置であるトモセラピーを使用すれば、さまざまなメリットが期待できます。病巣へ正確に狙いを定めて照射できるほか、短時間で治療を行えますので、身体への負担が少ないのが大きな魅力です。
副作用が起きにくいといわれるトモセラピーですが、症状には個人差が見られます。吐き気・嘔吐、円形脱毛症や放射線壊死などがあげられます。副作用や治療のことで心配な方は主治医へ相談しておきましょう。
トモセラピーによる網膜芽細胞腫の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
トモセラピーを使用すると、放射線装置が病巣の大きさや形を捉えてピンポイントで放射線を照射できるのが特徴です。周辺の正常な組織への影響が少なく、がんに高い線量の放射線を当てられるため、大きな治療効果が期待でるとされています。
副作用が起きにくいといわれるトモセラピーですが、症状には個人差が見られます。涙目や痛みなどの症状が見られる可能性があるため注意しなければなりません。副作用や治療のことで心配な方は主治医へ相談しておきましょう。
トモセラピーによる腺様嚢胞がんの治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
トモセラピーを使用すると、病巣を包み込みように放射線を照射しますので、正常組織への線量を軽減できるメリットがあります。重要器官や正常組織を避けながら、病巣へ狙いを定めて治療できるため、副作用が出にくいのも特徴です。
副作用が出にくいといわれるトモセラピーですが、症状には個人差があります。口腔内の乾燥や味覚障害が起きるおそれがあるため、注意が必要です。副作用や治療のことで心配な方は主治医へ相談しておきましょう。
トモセラピーによる嗅神経芽細胞腫の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、がん病巣を包み込みように放射線を照射していきます。病巣を狙い撃ちにしつつも、正常組織への線量を軽減し、患者の身体にかかる負担を軽減させられる治療です。
副作用が出にくいといわれるトモセラピーですが、症状には個人差があります。口腔内の乾燥や味覚障害には注意しなければなりません。副作用や治療のことで心配な方は主治医へ相談しておきましょう。
トモセラピーによる胸腺がん・胸腺腫の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
トモセラピーは、がん病巣に集中して放射線を照射でき、正常組織への線量を軽減できます。病巣を集中的に照射しつつも、正常組織への線量を軽減し、患者の身体にかかる負担を軽減できるのが魅力です。
副作用が出にくいといわれるトモセラピーですが、症状には個人差があります。照射された皮膚が赤くなったりひりひりしたりするおそれがあるため、注意が必要です。副作用や治療のことで心配な方は主治医へ相談しておきましょう。
トモセラピーによる悪性胸膜中皮腫の治療には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
トモセラピーを使用すると、放射線の照射元がCTのように患者の周囲を螺旋状に回転しながら、細い照射ビームを複数組み合わせて治療可能です。がん病巣に狙いを定めて照射を行えるため、周囲の正常な組織への負担を軽減できるのが特徴です。
副作用が出にくいといわれるトモセラピーですが、症状には個人差があります。肺炎や皮膚炎、食道炎などの症状がみられるおそれがあるため、注意が必要です。副作用や治療のことで心配な方は主治医へ相談してください。
トモセラピーは、IMRTの専用機として開発された放射線治療システムです。放射線治療に用いる放射線にはさまざまな種類があり、患者さんの状況に応じて治療法を判断します。
がんの方の生活の質を高めるための「緩和ケア」について紹介しているサイトです。主治医に「治療がない」と言われた方でも受けられる可能性がある治療についてもまとめています。