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トモセラピーによる白血病の治療

白血病にもトモセラピーは利用されています。造血器腫瘍と呼ばれる血液、骨髄、リンパ節が侵されるがんでは、放射線治療や化学療法が中心となります。白血病の場合には、骨髄移植をする前に全身への照射をおこなう場合があります。

白血病とは

白血病にはさまざまな種類があります。大きく分けて急性骨髄性白血病、慢性白血病、小児白血病などです。今回は急性骨髄性白血病について解説していきます。

白血病の診断

急性骨髄性白血病は、骨髄中で骨髄芽球(白血球に分化する過程の未熟な細胞)に異常が起こって、がん化した細胞(白血病細胞)が骨髄で異常に増える病気です。診断方法としては、ほかの血液やリンパのがんと同じく、骨髄検査がおこなわれます。通常は骨髄穿刺(こつずいせんし)といって局所麻酔をして骨髄に針を刺し。骨髄液と細胞を吸引することによって、骨髄液と細胞を採取する方法がとられます。この検査により、骨髄中の細胞が正常であるか以上であるか、その種類がわかり、そのほかのさまざまな情報により診断をすることができます。

白血病の症状

急性骨髄性白血病では、進行が速くなるべく早期に治療を始める事が重要です。しかし、白血病特有の症状と言うのはわかりにくいという面もあります。症状の例では、動機や息切れ、疲労感などの貧血症状。風を引きやすいといった易感染性。鼻血や歯肉出血、アザができやすいなどの出血症状があげられます。また、血液検査での異常値もあげられますが、確定診断には、上記の骨髄検査が必要となります。なんとなく体調が悪くて医療機関で診察したら、白血病だったという例も少なくないようです。

白血病の治療

白血病の治療では、主に抗癌剤による化学療法が中心となります。複数の薬剤を使用する方法が確立していて、副作用を抑えるための支持療法も進歩しているため、治療を継続できる環境となっています。染色体異常や遺伝子異常が認められる白血病では、分子標的薬を使用することもあります。また、化学療法のほかには、造血幹細胞移植(骨髄移植、末梢血幹細胞移植、さい帯血移植)という方法もあります。これは近親者やドナーから造血細胞を移植することで、正常な血液細胞を増加させていく治療です。トモセラピーでは、主にこの 造血幹細胞移植の前処置として、全身に照射されることがあります。これは化学療法とともに患者さんの体内で腫瘍細胞を減少させる目的があります。減少をさせておかないと、移植をおこなったときに免疫細胞が活性化して拒否反応を起こすこともあるからです。この放射線治療として、トモセラピーを導入している医療機関があるのです。

       
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